大学生が読む太宰治 「ヴィヨンの妻」感想
太宰治の「ヴィヨンの妻」は短編集であり、非常に読みやすかったです
「親友交歓」
一番最初に収録されている短編です。太宰の家に小学生のときの"自称"親友が久しぶりに訪れ、宅飲みする話です。こんなやつホントに実在するのかというぐらい嫌なやつが描かれています。
割と明るく気軽に読めて笑える短編でした。思うことがあってもなかなか相手に言えないタイプの人は凄い共感できるのではないでしょうか
20ページぐらいで短いのでおすすめです。
「トカトントン」
この短編はある投稿者のお悩み相談みたいな形式で物語は語られます。相談者は感化されやすいタイプで、恋愛や仕事に夢中になるも、 “トカトントン”という金槌の音を聞くとすぐに全てが馬鹿らしくなり、どうでもよくなってしまいます。最後に相談者に対して回答者からこの悩みに対する回答がのっているのですが、このアドバイスのような回答があまりよくわからないので分かる人コメント等で教えてください🙇♂️🙇♂️
最後の部分はともかく、感化されやすく、燃え尽きやすいのは自分も一緒なので非常に読んでて面白く興味深い短編でした。ホリエモンとか西野さんとかみたいな啓発本やセミナーを読んだり聞いたりして決起するも、行動に移す前にアホらしくなってしまう人はこれ読むと共感できると思います笑
「父」
太宰の家庭に対しての思想が色濃く表れた短編だと思います。家庭を蔑ろにするつもりはないものの、器用になれない太宰のもどかしさを感じました。